「う~ん。キリスト教の行事じゃないから、あまり良く知らんのよ。だけど、日本のお化けは夏に出るのに、西洋のお化けは寒い時に出るんだねェ」
などと、いい加減なことを答えてから、はたと思い当たって、思い出したのは、『世間胸算用』の巻4の1「闇の夜の悪口」の中で、
「むかしは年のくれに魂祭して、いそがしき片手に香花をととのへ、神の折敷と麻がらの箸と、取り混ぜてのせはしさに、その頃のかしこき人、極楽へことわりなしに、七月十四日に替へける。今の智恵ならば、春秋の彼岸のうちに祭るべし。」
という文章があった。
平安朝までは、先祖供養というのは大晦日の行事だったのです。祖霊は年に二度、盆と正月に子孫の家に帰って来て供応を受け、子孫の家を守護すると考えられていて、未だに地方によっては、大晦日に祖先の「みたま」にお供えをする習慣が残っているらしい。
そこでハロウィンを調べてみたら、この、もともとはケルト人のお祭りは、やはり大晦日だったのです。ケルト人の1年の終わりは10月31日で、この夜には死者が家族を訪ねて来る日だったのだそうな。
ところが、祖先ばかりでなく、ついでに魔女や邪悪な物までもくっついて出て来るので、迎える方としても魔除けの火をたいたり、仮面をかぶったりするようになったらしい。
日本でお盆に幽霊が出るのと同じ理屈というわけね。
Happy Halloweenなんて、何が happy なのかと思っていたが、先祖を迎えるというのなら、happy で悪いとも言えないことになる。
Halloweenの語源は、カトリック教会で11月1日に祝われる万聖節(=諸聖人の日、英語で All Hallows)の前夜(eve)が訛って Hallows eve → Halloween となったのだそうな。さすがのキリスト教も、民族の風習は禁止できなかったらしい。但し、これが馬鹿騒ぎPartyのようになったのは、やっぱりアメリカ人の”手柄”らしい。日本のクリスマスと同じということだ。
Jack-o'-Lantern とか Will-o'-the-wisp なんてのは鬼火太郎とかワラ怪人三郎?で、ジャックやウィルはケルトの名前だったのか。
日本では1983年10月にキディランド原宿店が始めたことだそうな。東京ディズニーランドでは1997年10月31日に初めてのパレードをしたらしい。それが現在では9月初旬からのイベントとして定着したという。
お祭りや Party なんて多い方がいいのだろう。誰もが早慶戦や早明ラグビーに夢中になる訳じゃないものね。キリスト教は禁止する宗派もあるらしい。狭い了見だねえ。いいじゃない。
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