ボッティチェリの絵は、別にどうでもいいのだけれど(一定の興味関心以上の物は全くない)メディチ家の財力と権力に圧倒された。
フィレンツェには何度も行ったし、実際にその豪華絢爛ぶりも見ているのだが、きちんと解説されると財力に胸を打たれる。
教会から禁じられていた金融、銀行業での巨万の富を蓄え、窮極のマネー・ロンダリングとして教会の聖画などを描かせて寄附するということだったのですねえ。
ヨーロッパ各地に置いた銀行の支店を利用し、芸術家達を次々に発掘したばかりでなく、各地の音楽まで収集していた道楽ぶりを見ると、腐るほどの財力の中でしか生まれも育ちもしない人材というものがあるのだとつくづく思う。メディチ家も、好き放題の権力を手に入れて芸術三昧にふけったのは孫のロレンツォだし。
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こんな御殿での受胎告知…って素敵!!
聖書じゃなく、ギリシャ神話をテーマにしなさいよね、と思っていたけれど、目的がマネー・ロンダリングなのだからしょうがない。
東大寺の大仏再建立のために勧進に歩いた僧達を思うと、一目こんなの見せてやりたいものだ。
ボッティチェリの作品は17点、その他の彫刻や工芸品、また例の金泥楽譜など80点も集合してます。
渋谷じゃなくて、上野でやれ!と思いましたよ。
きっとみんな見逃すんだろうな。
あ、メディチ家は、ローマ法王まで出して(金持ちが何が悲しくて法皇に?)その庇護まで受けるようになるのだが、滅んだ原因というのも清貧を訴える革命僧だったのです。
ヤツは(名前を忘れた)贅沢だと言って、ボッティチェリの作品をいくつも火にくべたらしい。
いつの時代にもいるんですね。そういうわけのわからんヤツ。
渋谷の文化村です。 ¥1,500ー
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