映画 君の名は

 

 ニッポン放送の収録で、ディレクターやスタッフの3人が『シン・ゴジラ』が良かったという話で盛り上がり、(もちろん三石もその一人ですが)、他の3人が『君の名は』が良かったという話で盛り上がっていた。

 

 ディレクターが

「『シン・ゴジラ』を見るくらいなら『君の名は』を見るように勧められたので見て来た。良かった。」

 というので、

「そう勧めた人は『シン・ゴジラ』を見たのか?」

 と訊いてみたら、「いや。」とのこと。

 結局、両方観た人はいなかったので、仕方なく私が見に行く。あ~あ。

 

 監督は長野県出身。しかも敬愛するS氏の出身校・野沢北高校の卒業ということで、かなりのシンパシーをもって好意的に見たのだが、

 

 もったいないというよりは、” 迎合した文学 " " 軽~く、薄~い荘子哲学 "。文学と哲学を諦めて、女子供に媚を売った堕落作品(こんなに本気で悪口を言うのは、生徒以外にはありません)でした。

 

 「糸をよる」「ひもを結ぶ」という言葉を中心にして、時間軸をずらすという哲学の概念をちょっとだけいじりながら、でも、小学生にも中学生にも、おねーちゃんにも" わかる "ようにさせたかったのか。それとも自分でもそれ以上書けなかったのか。

 

 30枚で挫折した意気込みだけはある短編を無理矢理読まされたような後味の悪さをどうしようもなかった。

 

 この映画で少しでも心をゆすぶられた人には、「まっとうな勉強をしてくれ!」と言いたい。

 

 TOHOの関係者情報では、今年一番の興行成績になるかもしれないとのこと。

 皆、軽~い哲学に飢えているのだろうか。

 

 それにしても、文学を諦めた男っていうのは、後味が悪いな。

最初から手を出すな!