映画 This Beautiful Fantastic

 

 この邦題はどうかと思うが…。

育ちの良い偏屈物のじいさんというのは、英国の背景あればこそ、はえるね。

 

 感想をひと言で言えば、つまらんおとぎ話でした。

 

 主人公の設定(捨て子で、鳥があたためて命長らえ、どこかの変なじいさん(頭がヘン)に見つけられての修道院育ち)にも無理があるし、そのために名探偵モンクのような強迫神経症になって植物が嫌いという性格設定をわざわざ作っておきながら、内面に踏み込むことなく、庭づくりとラッキーな遺産相続で物語は終わる。

 

 それに何よりも私には English Garden の良さが全くわからない。見ていると3分の2くらいは、むしりたくなる。

 

「混乱と混沌( confusion と chaos )は違うのだ。」

 という、偏屈なじいさんの言っている意味もわからなかった。

 

 そういえば昔、留学生をホーム・ステイさせていた時、恵泉に通っていた彼女の必須科目には園芸という English Garden の作庭を学ぶというものがあったっけ。

 枯山水と苔庭が一番好きな私には一生理解できないかも。

 

 英国ではやはりヒースの野は好きだった。花の季節も荒れ野も好きだった。ヒースは良い。

 

 そろそろ今年も、ひまわりと朝顔の種をまこうと思ってます。

 気が短いので、放ったらかしはできるが、手入れはイヤよ。

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コメント: 1
  • #1

    星田美和 (土曜日, 04 11月 2017 06:49)

    今、感じていることをそのまま書かせていただきます。

    先生が、この文章の中で、「どこかの変なじいさん(頭がヘン)」、と書かれているを読んだ時、ちょっとだけ、さみしく感じました。というのは、わたしは5年半前に一時、気が狂ったような状態になったことがあります。夫に精神科へ連れていかれ統合失調症と診断されたました。しかし、最近になって回復いたしました。担当医師からは、稀なケースではあるものの、このまま様子を見て気分の抑揚がなければ、大丈夫、と言われています。もともと私は短気な気質ですので、今でも時として夫に怒りをぶちまけることはありますが、そんな時に夫から、「ヘンだ、ヘンだ、精神科に行け!」と言われると、とても悲しくなることがあり、「ヘン」という言葉に引っかかってしまいました。話が長くなり申し訳ありませんが、続けさせていただきます。私に対して、ヘンだ、ヘンだといっては、時に私を全く受け入れようとしない夫ですが、その夫は以前、こんなことを言ったことがあります。麻生内閣時代に財務大臣をされていた中川昭一さんに関わる話です。中川さんが欧州へ行かれた際に、酩酊されているかのごとき状態で記者会見に臨まれたことがありました。その後、マスコミや世間から散々批判を浴びた際、中川さんの妻が、(何とおっしゃられたのか定かな記憶ではありませんが)「夫は悪くない」というようなことを言われ、中川さんのことを庇いました。その時に我が夫は、「羨ましい。あんな奥さんだったら有り難い。お前は、こんな時、きっと俺のことをかばってくれない。」というようなことを言いました。そんなことをいう夫ですから、わたしがどのような状態になったとしても、かばってくれるに違いないと思うのが、当たり前の話です。にもかかわらず、ここで一番あなたに味方になってほしいと感じている時に、あなた以外には味方になってくれる人はいないのだから、お願いだから放り出さないでほしい、とただただ心の底から懇願している一番の時に、「お前は、変だ。精神科へ行け!」と言い、わたしを放り出すようなことをするのです。なんとひどい夫なのかと思いますが、そんな夫のことを、わたしは心底愛しています。そう言っても、信じない夫にも腹が立ちますが、好きなのだからしょうがありません。
    以前、何かで、こんなことが書かれているのを読んだことがあります。「仏像のどこか一箇所がヘンだからと言って、その仏像を丸ごと嫌いになるなどというのは、おかしなことだ。仏像の一箇所が変であっても、やはり、自分がそれを好きなことに変わりはない。」定かな記憶ではありませんが、確か、わたしの大変尊敬申し上げる岡本太郎さんがおっしゃっていたことのように記憶しております。

    話は変わりますが、イングリッシュガーデンは、自然をそのまま生かす庭づくり、のようですので、先生が一生理解できないとおっしゃられている庭は、おそらくフランス式の作庭かと思われます。

    わたしも先生と同じく(と言っては、失礼ですが)もともとは短気ですので、庭の手入れを怠って今までやってきましたが、このところ庭造りが楽しくなって参りました。不思議なことに、というかそれが当然のことと今は分かりますが、これまで苦手だった方々からその方の良いところを学ぶようにしていたら、随分と自分の性質がまろやかになり、同時に庭の手入れもできるようになってきました。もともとは、秩序立ったことが好きな私ですが、20年以上混沌とした池袋という街で育ってきたおかげもあったのか、秩序をなくした混乱状態は嫌ですが、様々なものやことが全て混ざり合っているカオスには、とても魅力を感じます。

    というわけで、長くなりましたが、最後に先生に感謝を申し上げ、記述を終えたいと思います。

    先生のおっしゃった「どこかの変なじいさん(頭がヘン)」には、途中で笑っちゃいました。ラジオ人生相談での三石先生の温かい励ましや、やさしく力強い言葉が大好きですから、そのことを思い出しました。そして、それ以上にどこかの変なじいさん、という言い方だからこそ、この世にただ一人、三石由起子先生の存在感を感じられるのだな、と、浅はかな思いに囚われた自分から、脱することができました。大変、勉強になりました。どうもありがとうございました。

    雲門日日是好日、私はこれを信条に、今楽しく生きています。ここまで読んでいただき、誠にありがとうございました。心より御礼申し上げます。 星田美和