南方熊楠展

 

 孫達にクリスマス・プレゼントを買ってやろうと思って上野の国立科学博物館に行った。

 ティラノサウルスとトリケラトプスを買おうと思ったのだ。

 それで、その序にもう一度アンデス展に寄り、さすがに3回めなので時間に余裕があって、常設展の方をふと見る。

 

”100年早かった智の人・南方熊楠”

 というポスターが目に入り、ダッシュで2階に駆け上がる。三石は変人好きなのである。

 

 面白かったのは、南方熊楠は森羅万象を探求した「研究者」とされて来たが、そんなものではないという主張だった。

 

 まして植物学者や粘菌学者などではない。なぜなら、論文はないし、絵が下手すぎるというのである。

 それではこの変人は何なのかといえば、「情報提供者」なのだという。資料を広く収集し、蓄積し、提供しようとした男だったというのである。

 

 今の、インターネット社会にこそ、こういう人がどんなに活躍できただろうと、各方面の学者たちがぶしぶし言っているビデオが面白かった。

 

 展示品の書簡、日記、抜粋、写生ノートやメモ書きが並んでいたが、ぐっちゃぐちゃで、熊楠の頭の中が、どんなに爆発していたかが良くわかる。

 興味のあることが一つでもあって、あの筆写がひとつでも読み解ければ、研究者にとっては宝の山であり、道しるべになるのだろうなあ。

 

 このコンピューター時代、誰ぞ、あれをきちんと分類して誰でも理解、検索ができるような物をつくらないか。

 南方の人生は彼一代では終わらないし、それをしないと彼の正当な評価もできずにこのまま終わってしまう。それは惜しい。

 人間の人生は、一代で完成するものではないんだなァ。

 

 因みに、上野はパンダのシャンシャン・フィーバー+国立科学博物館にはプレゼント用の箱も袋も用意がなく=パンダを抱えて歩く人の波の中、ティラノサウルスとトリケラトプスを抱えて歩く三石は、みんなにじろじろみられた!!

 それで気づいたのだが、恐竜好きは息子であり、私はそれにつきあっていただけだと思っていたのだが、実はそうではなくて、私自身が恐竜好きなのでありました。

 孫が喜ぶかどうか、知らんし…。