2015年
5月
25日
月
HOUSE of CARDS
安倍総理が冗談で、
「麻生さんには見せたくない」
と言ったドラマだと聞いて見始め、何度も何度も中断(というか挫折)して、やっと見終える。
こんなに主人公に一点の感情移入もできない、というよりできればすれ違うのさえ憚れるような人物もないものだと思いながら、いらいら、ぐずぐずと見ていたのだが、最後の最後の場面で、自分でもどうしようもないほど感激してしまった。
きっと後世に名を残す大統領になるのだろうと思った。
回転が早く、スキがない。あれに夢中で、これを見損なうということがない。
昔、田舎の高校生だった頃、”外見より中身だ”と言われていた時分、そんなことを言う先生に対して、
「田舎者め!世の中には両方そろっている人が五万といるのだから、女子高生に外見の価値観を否定しちゃだめだ!」
と、心の中で悪態をついていたのだが、何だかそれと似た感情が湧き上がって来た。
権謀術数を用い、上昇志向が強く、名誉欲と権力欲がある主人公は、それと同程度かあるいはそれ以上の政治能力があるに違いないと思わせる。
この夫婦の関係も私には実に魅力的で、我ながら“病んでいるのかもしれない”と思ってしまった。
2015年
5月
11日
月
Bunkamura ザ・ミュージアム ボッティチェリとルネサンス展
ボッティチェリの絵は、別にどうでもいいのだけれど(一定の興味関心以上の物は全くない)メディチ家の財力と権力に圧倒された。
フィレンツェには何度も行ったし、実際にその豪華絢爛ぶりも見ているのだが、きちんと解説されると財力に胸を打たれる。
教会から禁じられていた金融、銀行業での巨万の富を蓄え、窮極のマネー・ロンダリングとして教会の聖画などを描かせて寄附するということだったのですねえ。
ヨーロッパ各地に置いた銀行の支店を利用し、芸術家達を次々に発掘したばかりでなく、各地の音楽まで収集していた道楽ぶりを見ると、腐るほどの財力の中でしか生まれも育ちもしない人材というものがあるのだとつくづく思う。メディチ家も、好き放題の権力を手に入れて芸術三昧にふけったのは孫のロレンツォだし。