2017年

6月

12日

浮線綾螺鈿蒔絵手箱を見にサントリー美術館へ

 

 授業が終わってから、生徒達とサントリー美術館に行きました。

 

 玉手箱というのは Sacred Treasure Box で、中に入っているのは化粧道具や鏡や櫛。

 

 化粧には呪術的な意味合いがあり、 privacy の極致なので、やはり他人が開けて見ることは決して許されないという性質の物らしい。

 

 神々に奉納された玉手箱に至っては、材質ばかりでなく、使う文様も、また奉納する人物の身分や品格も厳密な設定があったという。

 

 ずらりと並んだ玉手箱を見ながら、生徒達は、

 

「ねえ、ねえ、このうちの一つをもらうならどれがいい?」

 

 …って、あんたら神様か!?

 

 浦島太郎の玉手箱の話は、腑に落ちないのだが、こんな説もあります。

 

「太郎が玉手箱を開ける理由は、他の女との結婚資金にしようとしたもので、それは乙姫の愛情に対する裏切り行為であるから、その場合を想定した乙姫が予め、呪いをかけておいたものである。」

 

 ふ~ん。

 

 有職故実を解説した邸の見取り図があって、どの場所に何を置き、姫達がどう生活していたかが細かく描かれ、並びに実物大の本物が展示されるので、他人の私生活を覗き見しているような気になってドキドキした。

 

 櫛の一つ一つを見ていると、これは確かに魔除けであったに違いないと、霊気を感じたのであった。

 

 6月21日~26日は、期間限定で、蓋を開けた状態で、蓋裏特別展示があるそうです。

 

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