2016年
2月
08日
月
映画『最愛の子』を見る
福山の『そして、父になる』は、悲しくて悲しくて、原因を作った看護婦に腹が立って、錯乱するほどの動揺を覚えたのだが、この映画は、実話とはいえ、現代中国の人買いや幼児誘拐が普通の事件だという社会性にどうしてもsimpathyを持つことができず、見ていて心がウロウロした。
ラジオの収録終わりに映画を一本見て帰ろうとしていたのだが、ちょうどいい時間帯がこれだったので、頭を混乱させて帰る。
誘拐直後から父はTVで、「息子は桃アレルギーだから、息子を買った人は、どうぞ桃を食べさせないで下さい。」と訴える。3年後に農村でやっと見つけた息子を奪い返すと、育ての母が、「桃アレルギーがあるから、桃を食べさせないで。」と言いすがる。
まあ、どっちに同情するって、父親に同情するのだが、この育ての母は、死んだ夫に、「お前が不妊症だから、よその女に生ませた子」だと言い含められていたのだった。その夫は、誘拐児の妹に当たる女児(捨て子)も拾って来て妻に渡していた。せめて妹だけでも育てたいと、捨て子を証明してくれる男に身を投げ出して裁判で争っていると、やがて自分が妊娠していることに気づく。(病院の検査で知らされる。)女が泣き崩れて物語は終わり、心に傷を負った子供達と夫婦の現在がドキュメンタリー・フィルムで紹介される。
こんなの、一体どうしたら、いいんじゃ!?”感動と絶賛”には程遠い気分でありました。